シコルスキーとガーレンの小説

※初出が見つけられなかったので
相撲は踊りッスから【バキスレッドRound176】の
コピペを仮に貼らせていただきました



91 名前:シコルのコピペ投稿日:04/01/13 20:36 ID:mVH7x1K3
吹雪吹きすさぶ極寒のシベリア、この地で今も一人ウラン採掘をしているガーレンは、
一日の仕事を終え、棲家としている小屋で本日の成果を日記に書き記していた。
今日も祖国に貢献できたと満足げに一人頷いた時、
ガーレンは吹雪の音に混じって小屋の戸を叩く僅かな音に気付いた。
『こんな吹雪の夜に来客?一体誰が・・・・』
訝しがりながらも戸を開けると、
そこにはもう決して会う事は無いと思っていた懐かしい人物が立っていた。
「同志シコルッ!!何故君がここにッッ!?」
「・・・まだ私を同志と呼んでくれるのですか。同志ガーレン」
「もちろんだ、志の違いは有れど、君の祖国を思う心は紛れも無い本物ッッ!!
 私は君がロシアを裏切ったとは微塵も思ってはいない!
 たとえ君に死刑が宣告されていたとしてもだッ!!!
 ・・・寒かっただろう。中に入りたまえ、暖かいホットミルクをご馳走しよう」
「ありがとう、ありがとうございます。ガーレン」



92 名前:シコルのコピペ投稿日:04/01/13 20:38 ID:mVH7x1K3
ガーレンの小屋には粗末な暖炉しかなかったが、彼の心がこもったホットミルクは、
氷のように冷たくなっていたシコルスキーを心身ともに暖めてくれた。
「さて、シコル君。こんな辺境までわざわざ何のために私を尋ねてきたのかね?
 ただ旧交を暖めに来たようにはとても思えないんだが。」
「・・・・大統領から勅命が下りました。」
「大統領勅命!?仮にも死刑囚である君にかッ!?」
「アメリカから二名、イギリスから一名、日本から一名、
 凶悪極まる死刑囚が脱獄し東京に向かったらしいのです。
 彼らの目的は強者と戦い、そして、敗北を知る事。」
「・・・なんということだ。」
「そこで我等が大統領はお考えになったのでしょう。
 『大ロシアの死刑囚こそ最強、旧西側の犯罪者など物の数ではないわッ!』
 と。」
「そこで君の出番。というわけか・・・・・」
「はい、しかし私は元来政治犯。ロケット発射口を登り脱獄はしてみたものの、
 あんな事は少しロッククライミングをかじっていれば誰でも出来るッ!!
 他の死刑囚は、潜水艦を改造した海中刑務所からの脱獄をはじめ、
 絞首刑に処せられながらも生き残り、その場にいた全員を殺害し脱獄、
 電気椅子にかけられながら生き残り、
 銃を装備した看守を目隠しをしたまま倒し脱獄、
 そして、特殊強化ガラスを片手で破り脱獄等、化け物ぞろいッ!
 私とはそもそもレベルが違うッッ!!!」
「なるほど・・・・」
「しかし、私は敗北する事は許されないッ!
 たとえそれが脱獄の方法であってもッ!
 私の敗北はすなわち祖国の敗北なのだからッッ!!!」


93 名前:シコルのコピペ投稿日:04/01/13 20:38 ID:mVH7x1K3
絶望した表情で感情のままに叫ぶシコルスキーを見、
ガーレンはこの男の持つ真の愛国心に打ちのめされていた。
脳裏に祖国を背負いながらもジャックに敗北した苦い思い出が蘇る。
ほんの少し、二分ほどであろうか、沈黙が支配した小屋の静寂をガーレンの声が破った。
「同志シコル、私を殺しなさい。」
下を向きうなだれていたシコルスキーがあまりの驚愕に目を見開き、顔を挙げた。
「なんですってッッ!!?今、なんと!?」
ガーレンは穏やかな微笑をたたえ、言った。
「同志シコルスキー、私を殺しなさい。
 一度敗北を喫したとは言え、私の名前はまだ大きいはず。
 私を楽に殺したという事ならば、他の死刑囚にも負けてはいないはずだ。」
「出来ない、偉大なロシアの英雄を殺すなど、私には出来ないッッ!!
 ましてや貴方は自分から殺されようとしているのだッッ!!」
「殺すのだ!シコルスキー!!祖国の為に、偉大なるロシアのためにッ!
 そのためなら、私の命などとるに足りんッ!!」
「〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!!」


94 名前:シコルのコピペ投稿日:04/01/13 20:39 ID:mVH7x1K3
一瞬の沈黙の後、ガーレンの小屋からは激しい物音が響きだした、
そして数分後、再び静寂が訪れ、聞こえるのはブリザードの風音のみとなった。
「・・き、君は・・優し・過ぎる・・な。」
瀕死のガーレンを、涙を流したシコルスキーが見下ろしていた。
「貴方を殺す必要は無い。
 なぜなら、貴方に重症を負わせただけで、
 100人の命を奪うことと同じ意味を持つからだッ!
 私は今、最強死刑囚と間違い無く並んだッッ!!
 貴方のお陰だッ!偉大なるガーレンッッ!!」
「・・さあ・もう・・行きたまえ・・
 ・君を・さえぎるものは・・・何もない・・」
そしてガーレンは穏やかな表情で目を閉じた。
彼は死ぬ事は無いだろうが、しばらくの入院生活は免れないだろう。
「ハラショー!ロシア!
 ハラショーッ!!ガーレンッッ!!」
シコルスキーは叫び、そして走り出した。
俺はもう負けるわけには行かない。
偉大なる祖国で、最も偉大な男が自分に命を賭けてくれたのだから・・・・
シベリアの極寒の中、シコルスキーの流した涙はもう凍り付いていた。
男が真の超雄(オス)となった瞬間であった。


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